訪問看護

どの保険が適応となるのか

こんにちは、soraです。

新規の依頼があった際に、介護保険の訪問?医療保険の訪問?

よく話題となることだと思いますし、ケアマネさんからも聞かれることが多いと思います。

そんな時は、疾患から判断していきましょう。

65歳以上で、介護保険の認定済みの場合。
1.精神疾患の場合

まず考えるべきことは、対象者がどの診療科にかかっているかです。「精神科」を標榜としている医療機関の「精神科医」から指示書をもらう場合は、「精神科訪問看護指示書」を発行して、堂々と精神科訪問を行いましょう。

ただし、認知症の診断がある場合は、介護保険が適応となりますので注意が必要です。しかしその場合でも、自立支援医療は使用できますので、対象者への経済負担という意味では、特に問題はありません。

また、主治医が「在宅患者支援管理料」を算定している場合には、その限りではありませんので、確認が必要です。

精神科以外、例えば「心療内科」などを受診している場合は、「精神科訪問看護指示書」は発行できませんので、介護保険の適応となります。

2.身体疾患の場合

何もなければ、疑いようもなく介護保険での訪問となります。

しかし、週4日以上の訪問が必要な状態(例えば、点滴や処置等)があれば、「特別訪問看護指示書(※1)」を発行することができ、14日に限り医療保険での訪問が可能となります。

また、厚生労働大臣が定める疾患等(別表7)(※2)に該当する疾患の場合にも、医療保険が優先されますので、確認しておきましょう。

40歳未満の方への訪問の場合は、介護保険の申請ができませんので、言うまでもなく、医療保険での訪問となります。

40歳以上65歳未満の方で、医療保険に加入している方で、特定16疾患(※3)に該当する方は、介護保険の適応となりますので、上記と同じ考え方をしましょう。

※1 特別訪問看護指示書を交付できる状態

(14日/月×1回)

週4日以上の頻回な訪問看護の必要性がある状態であり、退院直後や急性増悪時がそれにあたります。

(14日/月×2回)

●気管カニューレを使用している状態にある者

●真皮を超える褥瘡の状態にある者

※2 厚生労働大臣が定める疾患等(別表7)

•末期の悪性腫瘍 •多発性硬化症 •重症筋無力症 •スモン •筋萎縮性側索硬化症 •脊髄小脳変性症 •ハンチントン病 •進行性筋ジストロフィー症 •パーキンソン病関連疾患 •多系統萎縮症•プリオン病 •亜急性硬化性全脳炎 •ライソゾーム病 •副腎白質ジストロフィー •脊髄性筋萎縮症 •球脊髄性筋萎縮症 •慢性炎症性脱髄成多発神経炎 •後天性免疫不全症候群 •頚髄損傷 •人工呼吸器を使用している状態

※3 特定16疾患

  1. がん(がん末期)
  2. 関節リウマチ
  3. 筋萎縮性側索硬化症
  4. 後縦靱帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症等)
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症(ウェルナー症候群等)
  11. 多系統萎縮症
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)
  16. 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

少しややこしいですが、一つ一つ順を追って考えていきましょう。